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2009年 08月 05日 ( 1 )


2009年 08月 05日

保護者の年収が高い世帯ほど子どもの学力が高い?

親の年収で成績格差 学力テスト 08年小6 1200万円超、正答率高く

これは、擬似相関の可能性ありです。まして、因果関係の証明ではないので、注意が必要です。

一般的に、年収と学歴の相関はかなり高いです。0.6~0.7は行っているんじゃないでしょうか。
私は、むしろ保護者の学歴と子どもの学力の相関を示しただけの結果だと思います。

単純に、「保護者の年収が高い=子どもの学力が高い」
というためには、親の学歴の影響等を排除しなければなりません。クロス集計で平均比較しただけのこの結果では、何もいえません。文科省がこの結果を出しただけでも、進歩かもしれませんが。つまり、お金持ちの親であれば必ず子どもの頭が良くなるという図式は成り立たないということです。

当たり前ですが、年収が高くても、可処分所得を子どもの教育にいくら充当するか分かりません。この点、学歴の高い親は、子どもの教育に充当する割合が高いと言われています。
その理由は、「教育(学歴)が子どもの将来を左右する重要な決定要因になる」という価値観を持っているから。この価値観を持っていれば、親の学歴自体は関係なく、子どもの
教育への可処分所得の充当割合は増えるでしょう。ためしに、親の「教育に対する価値観」を変数として入れたら、「年収」よりも利くんじゃないでしょうか。

個人的には、子どもの学力は、①親からの遺伝と、②教育環境、そして③自身の努力で決まると思うのです(教育学が専門でないので、違う説もあるかもしれませんが、持論です)。
そして、親の学歴が高い子どもは、①②に関して非常に有利な条件が揃う確率が高いです。

でも、私はこのうち実は一番「利く」であろう因子は、③自身の努力だとも思ってます。

人生をどう生きたいかを知り、自分にどんな能力があるかを知り、目標に近くための努力ができる人は、①②のハンデを克服し成功します。逆に、出来ない人は、①②の有利な条件にも関わらず成功しない。
それが一番私の実感に近いモデルです。でも学力というより、「総合的な力」といでもいうべきかも。

年収の格差が子どもの学力に影響すると思うなら、公立学校の教育の質を劇的に向上させる政策を打てばいいです。親の年収に関わらず、②はある程度担保することができます。
だけど、肝心の本人(子ども)が教育の意味を知らなければ、効果はないと思いますが。
学校に通えないアフリカ子ども達の多くは、教育の意味をきちんと知っているのに、日本の子どもはなぜ知らないのか・・・と思うことがしばしばです。

追記:やはり、「年収にかかわらず、親が『ニュースや新聞記事について子供と話す」「家に本がたくさんある』などと回答した世帯の子供ほど学力が高い傾向もみられた。」って結果も出てますね。 
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by philosophia_nash | 2009-08-05 14:27 | Miscellanea